がん闘病記と日々雑感

~右往左往の備忘録~

⑧<副作用>2017年1月~4月

<抗がん剤>

抗がん剤は1/18~4/28まで、点滴でスタートし2週間経口薬を服用・2週間休薬というスケジュールだ。全4クール。

まず最初に起こったのは船酔いのような、目が回る感覚。強烈な眩暈。スタートの翌日から4日間にかけて起こった。動くと余計に目が回るため、なるべく動かないようにするしかない。

船酔いと同時に起こったのが、便秘。今まで何十回と経験してきてはいるが、それとは全く違った。腸が存在していないのでは?という感じ。そのくせ、溜まっている感はとても強い。結局4日後に出たのだが、最後は突き上げ感まであり、とても辛かった。

便秘が治った時に夫に報告すると、夫は「良かった、ほんと良かった…」と言いながら泣いてしまった。船酔い状態で目が回る中、何度もトイレに行っては失敗し苦しんでいる私を見るのが辛かったのだろうと思う。

それから倦怠感。これは期間限定のものではなくずっと続いた。毎日病院から帰宅すると、ぐったりと座り込んで(または寝転んで)そのまま何時間も動けない。テレビのリモコンすら取るのがしんどい。洗い物や洗濯をしなくちゃと思いながら夕方になってしまう、というのがずっと続いた。

これらの症状は4クールとも全く同じタイミングで起こった。便秘は薬の量の調整でかなり対処できるようになったが、船酔い症状は諦めるしかなかった。Y先生に訴え船酔い止めの薬を処方してもらったが、気休め程度の効き目しかなかった。

船酔い感覚(眩暈)・便秘・倦怠感。これらはもちろん以前にもあったものだ。だが抗がん剤副作用で引き起こされた症状は「深刻度」が全く違った。

友人Y子の夫さん(喉頭ガン経験者)に聞くと、とにかく堪えるしかない、と言われる。確かにその通り。頑張るということではなく、ひたすら堪えるという感じ。

逆にこれ以外のことは起こらなかった。吐くことも脱毛も私にはなかった。

けれども、服用には時間がかかった。たった2錠を飲むのに30分以上かかる。なぜなら、理性以外の全ワタシが、全力で拒否してたから。薬を口に持っていくことが中々出来ず、喚いたり掛け声をかけたり。最後の2錠を飲み干した時は1人乾杯をした。お茶だったけど。

 

<血液検査>

検査と診察は週に一度。検査結果を元に問診をし、アドバイスを受ける。治療前には正常だった白血球などの値が2週間後にはぐっと落ちた。(4700→2000) インフルエンザや風邪が流行する中、私は病院通い以外の外出を控えるようにした。病院にはマスク・帽子・手袋着用で、ウイルス対策のため10分置きに水を飲む。咳をしている人には近づかない。公共の電車・バスは私にとって凶器だったため、車やタクシーで通った。感染したら治療がストップしてしまう、それだけは避けなくてはと必死だった。 さらに1週間たつと、肝機能の数値が悪くなった。今まで上がったことのなかったγ-GTなどの数値が一気に上がった。問診でY先生に「まさかアガリクス飲んでない!?」と聞かれたほど。当然だが、抗がん剤以外の薬は一切飲んでいない。

白血球もγ-GTも、しばらく悪い数値で横ばいが続き、それは抗がん剤後も続いた。何とか治療ストップとなる数値には達しなかったものの、半年以上たった今も正常値には戻っていない。

 

<放射線治療>

1/18から2/24まで週5回、計28回。照射の合計は50.4Gy

毎日同じ時間に通うのは会社勤め以来、5年ぶりのことだった。待合室では同じ顔触れの人達と目礼を交わす。終了して現れなくなる人、新しく加わる人。話をすることはなかったが、何となくの連帯感のようなものがあった。

副作用のほとんどは抗がん剤で起きていたものと思っている。放射線での副作用は倦怠感が増す(被爆によるもの)ことぐらい。だが、食道の原発部の変化(痛み・詰まりなど)は放射線によるものだ。そもそも治療前から酷い圧迫痛があった。肥大化した食道が回りの臓器を圧迫するもの。アバラや背中、脇腹などが軋むように痛む。できることは鎮痛剤を飲んで(殆ど効き目なし!)うずくまるだけ。特に朝が酷かった。それが少しずつ収まってきたのが治療がスタートしてから3週間目位。同時に詰まりも良くなってきた。ガン細胞が消えてきていると実感。

食べられる物が増えて、調子に乗ってた頃。がりがりに痩せた体を元に戻そうと、カロリーの高いものを敢えて食べていた。そしてこのまま詰まりはなくなるのかと思っていたら、3月中旬から再び詰まりだすようになった。Y先生に聞くと食道炎が始まったのでしょう、とのこと。ガンが再び元気になったわけではないと安心し、体重が少し戻ってきて嬉しかった私は、詰まりを気にせず、引き続き太るために懸命に食べていた。が、2晩続けて食事中に詰まり、ついに3晩目、トンカツを口にすると何をやっても落ちないという状況になってしまった。苦しみ続けること2時間、救急車を呼んでT大病院へ。内視鏡で取ってもらおうと思っていたが、緊急医では処置できず結局自力で出すしかなかった。到着してから1時間、やっと吐き出すことが出来たが、トンカツなどの「自然には溶けないもの」は一生口にすまい、と心に決めた。

食道炎はその後、2ヶ月位かけて徐々に良くなってきたが、今でも喉の詰まりは残っている。基本的に食べられないものはないが、たくさん噛んで食べることが必須。そして炭酸は飲めない。つまりビールは飲めない。お風呂上りにゴクッと飲むビールは好きだったし、その時間がなくなったのは寂しく思うが、諦めるしかない。ビール以外のアルコールは特に好きではないので、敢えて飲もうという気にもなれず、結局2016年12月以来、アルコールは1滴も飲んでいない。

もしいつか、喉の詰まりが完全になくなったら、またビールを飲みたいと思うだろうか? 何となくだけれど、そんな気持ちにはならない気がしている。